01建設業許可とは
建設業許可は、建設業法にもとづき、建設工事を請け負う事業者が国土交通大臣または都道府県知事から受ける許可です。一定の金額以上の工事を請け負うときに必要になります。
発注者を守り、工事の品質を確保するための制度です。許可の取得を考えるきっかけとして、たとえば次のようなものがあります。
- 元請から「建設業許可を取って」と言われた
- 大きな工事の引き合いが増えてきた
- 取引先や金融機関からの信用を高めたい
- 公共工事に参入したい(経営事項審査の前段階)
02許可が必要になる工事
次の「軽微な工事」を超える工事を請け負う場合に、許可が必要です。
| 工事の種類 | 許可がなくても請け負える範囲(軽微な工事) |
|---|---|
| 建築一式工事 | 1件の請負代金が1,500万円未満の工事、または延べ面積150㎡未満の木造住宅の工事 |
| 建築一式以外の工事 | 1件の請負代金が500万円未満の工事 |
※ 請負代金は、材料費などを含めた税込の金額で判断します。
軽微な工事しか請け負わない場合でも、信用のために自主的に許可を取る事業者は多くいます。元請が許可業者を優先する傾向もあるため、事業の将来像に合わせて検討しましょう。
03一般建設業と特定建設業
元請として受けた工事を、どれくらいの金額で下請に出すかによって区分されます。
| 項目 | 一般建設業 | 特定建設業 |
|---|---|---|
| 下請に出す金額 | 5,000万円未満(建築一式は8,000万円未満) | 5,000万円以上(建築一式は8,000万円以上) |
| 財産の要件 | 自己資本500万円以上など | 資本金2,000万円以上など、より厳しい要件 |
| 技術者の要件 | 一般の要件 | より高い資格・経験が必要 |
※ 下請に出す金額の基準は、2025年2月から引き上げられた現在の金額です。
大きな金額で下請に発注する予定がなければ、一般建設業で十分です。事業が大きくなってきたら、特定建設業を検討します。
04知事許可と大臣許可
| 項目 | 知事許可 | 大臣許可 |
|---|---|---|
| 営業所の場所 | 1つの都道府県内だけ | 2つ以上の都道府県 |
| 申請先 | 営業所のある都道府県 | 本店のある地域の地方整備局 |
| 新規申請の費用 | 申請手数料 9万円 | 登録免許税 15万円 |
| 工事ができる場所 | どちらも全国で工事ができます | |
区分は「どこで工事をするか」ではなく、営業所がどこにあるかで決まります。営業所が和歌山県内だけなら、知事許可で十分です。
05取得の5つの要件
経営業務の管理体制
- 建設業の経営について5年以上の経験を持つ常勤の役員等がいること(またはそれに代わる体制があること)
- あわせて、適切な社会保険への加入も許可の要件です
営業所技術者
- 営業所ごと・業種ごとに、資格や経験のある技術者を置くこと
- 施工管理技士・建築士などの国家資格、または10年以上の実務経験(指定学科の卒業で短縮あり)
- 2024年12月に「専任技術者」から名前が変わりました
誠実性
- 会社や役員等が、請負契約について不正・不誠実な行為をするおそれがないこと
財産的基礎
- 一般建設業:自己資本500万円以上、または500万円以上の資金を調達できること など
- 特定建設業:資本金2,000万円以上 など、より厳しい要件
欠格要件に当たらないこと
- 一定の法令違反や刑罰から5年を経過していない
- 暴力団との関係がある
- 破産して復権を得ていない など
いちばんのハードルは、経験を書類で証明できるかどうかです。要件を満たしているつもりでも、証明する書類が足りないことがよくあります。当事務所では、まず要件の確認から一緒に行います。
06業種は29種類
建設業許可は29の業種に分かれていて、行う工事に合わせて業種ごとに許可を取ります。複数の業種をまとめて取ることもできます。
主な業種の例:土木一式工事業/建築一式工事業/大工工事業/とび・土工・コンクリート工事業/屋根工事業/電気工事業/管工事業/鋼構造物工事業/鉄筋工事業/舗装工事業/内装仕上工事業/建具工事業/解体工事業 など
- 自社が実際に行う工事の内容と一致させる
- 将来広げたい業種も含めて検討する
- 業種ごとに、営業所技術者の要件が異なる
07必要な書類
申請に必要な書類は、おおむね20〜30種類にのぼります。代表的なものは次のとおりです。
申請書類
- 建設業許可申請書
- 役員等の一覧表
- 営業所の一覧表
- 営業所技術者の一覧表
経験・資格の証明
- 経営経験を証明する書類
- 技術者の資格証明書、または実務経験の証明書
財産の証明
- 直近の財務諸表
- 残高証明書(500万円以上)
- 納税証明書
そのほか
- 登記事項証明書(法人)
- 役員等の身分証明書
- 役員等の住民票 など
当事務所では、どの書類が必要かの洗い出しから、取得・作成までサポートします。
08許可までの流れ
- 無料相談事業の内容や、請け負う工事の規模をお聞かせください。
- 要件の確認経営経験・技術者・財産の要件を満たせるかを確認します。
- 書類の収集・作成必要な書類を集め、申請書類を作成します。(1〜2か月)
- 申請・審査申請先の行政庁で審査を受けます。(1〜3か月)
- 許可・その後のフォロー決算変更届・更新・経営事項審査まで続けてサポートします。
準備から許可まで、おおむね2〜5か月が目安です。
09許可を取ったあとの手続き
建設業許可は、取って終わりではありません。続けて次の手続きが必要です。
| 手続き | 時期 | 内容 |
|---|---|---|
| 決算変更届 | 毎年、事業年度の終了後4か月以内 | 財務諸表や工事経歴書などを提出します。出していないと更新ができません。 |
| 更新 | 5年ごと | 期限が切れると許可を失い、最初から取り直しになります。 |
| 変更届 | 変更から30日以内など | 役員・営業所・商号などが変わったとき。営業所技術者の変更は2週間以内です。 |
経営事項審査(経審)
公共工事の入札に参加するには、経営事項審査を受ける必要があります。経営状況・経営規模・技術力などが点数で評価されるもので、原則として毎年受けます。
- 決算変更届の提出
- 経営状況分析の申請(登録を受けた分析機関)
- 経営事項審査の申請(都道府県など)
- 総合評定値(P点)の通知
当事務所では、決算変更届から経審まで、まとめてサポートします。
10料金表
| 内容 | 報酬(税込) |
|---|---|
| 初回相談・お見積り | 無料 |
| 新規申請(知事許可) | 個別お見積り |
| 新規申請(大臣許可) | 個別お見積り |
| 更新申請 | 個別お見積り |
| 業種追加 | 個別お見積り |
| 決算変更届 | 個別お見積り |
| 各種変更届 | 個別お見積り |
| 経営事項審査 | 個別お見積り |
※ 報酬のほかに、行政庁への手数料などの実費がかかります(新規申請は知事許可で9万円、大臣許可で15万円)。
※ 当事務所は適格請求書(インボイス)発行事業者です。
11よくあるご質問
500万円未満の工事しかしませんが、許可は必要ですか?
軽微な工事だけを請け負う場合、法律上は許可がなくても営業できます。ただし元請が許可業者を優先する傾向もあり、信用のために取得する事業者も多くいます。
経営経験は、どうやって証明しますか?
法人の役員だった期間は登記事項証明書、個人事業の期間は確定申告書の控えなどで証明します。あわせて、工事の請負契約書や注文書の写しが必要になることもあります。経歴の整理から一緒に行いますので、ご安心ください。
技術者の資格がない場合は?
国家資格がなくても、10年以上の実務経験で要件を満たせます。指定学科を卒業している場合は、高校卒業で5年、大学卒業で3年に短縮されます。経験の証明には、工事の注文書・契約書・請求書などが必要です。
申請から許可までどのくらいかかりますか?
審査はおおむね1〜3か月です。書類の準備期間を含めると、2〜5か月ほどを見込んでください。
個人事業から法人にしたら、許可は引き継げますか?
2020年10月から、事前に認可を受ければ、個人事業の許可を法人に引き継げる制度ができました。認可を受けない場合は、法人で新たに許可を取り直します。法人化を考えている方は、早めにご相談ください。
県をまたいで工事をする場合、大臣許可が必要ですか?
いいえ。知事許可か大臣許可かは営業所の所在地で決まります。営業所が和歌山県内だけなら、工事は県外でも知事許可で行えます。
一度許可を取れば、ずっと有効ですか?
いいえ。許可の有効期間は5年で、更新が必要です。期限が切れると、最初から取り直しになります。
経審はすぐに受けられますか?
経審は決算の内容をもとに審査するため、許可を取ったあと、決算変更届を出してから受けることになります。公共工事の入札を目指す場合は、計画的に準備しましょう。
業種はあとから追加できますか?
はい、業種追加の申請で追加できます。ただし、業種ごとに営業所技術者などの要件を満たす必要があります。
和歌山県外でも対応してもらえますか?
和歌山県内全域に対応しています。県外の方もご相談ください。
要件の確認から、許可を取ったあとの決算変更届・更新・経審まで、続けてお任せいただけます。「うちは許可が必要?」という段階からご相談ください。