Guide 04

建設業許可の要件をやさしく解説

常勤役員等・営業所技術者・財産的基礎(和歌山)

この記事でわかること

建設業許可が必要になる工事の目安と、許可の種類

許可の要件(常勤役員等、営業所技術者、誠実性、財産的基礎)と、欠格要件

和歌山県での申請窓口と、手数料の基本

01そもそも許可が必要な工事とは

建設業許可は、すべての工事で必要なわけではありません。国土交通省の案内によると、次の「軽微な建設工事」だけを請け負うなら、許可は不要です。

工事の種類許可が不要な軽微な工事
建築一式工事1,500万円未満、または木造住宅で延べ面積150平方メートル未満
建築一式以外の工事500万円未満

この金額を超える工事を請け負うには許可が必要です。個人事業で始める場合も、これから会社を作って始める場合も、同じ考え方です。

02許可の種類を知っておく

大臣許可と知事許可

  • 知事許可:営業所が1つの都道府県内だけにある場合
  • 大臣許可:営業所が2つ以上の都道府県にある場合

和歌山県内だけに営業所がある場合は、和歌山県知事の許可になります。

一般と特定

発注者から直接請け負った工事で、下請に出す契約の金額が5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)になる場合は「特定建設業許可」が必要です。それ以外は「一般建設業許可」で足ります。多くの新規開業の方は、まず一般建設業許可からのスタートです。

業種ごとの許可

建設工事は、土木一式工事と建築一式工事の2つの一式工事と、27の専門工事、あわせて29の種類に分かれています。許可は、営業する業種ごとに受けます。許可の有効期間は5年で、更新の申請は満了の30日前までに行う必要があります。

03許可の要件の全体像

建設業法第7条が定める許可の要件は4つです。さらに、第8条に定める欠格要件に当たらないことも必要です。業務ページ(建設業許可申請)の「取得の5つの要件」は、この4つに欠格要件を加えた数え方です。

要件ひとことで言うと
常勤役員等(経営業務の管理)建設業の経営をきちんと行える体制があること
営業所技術者営業所ごとに、技術的な裏付けのある人がいること
誠実性請負契約で不正・不誠実な行為をするおそれがないこと
財産的基礎工事を始めるための資金の裏付けがあること

04要件1:常勤役員等(経営業務の管理)

2020年の改正で何が変わったか

以前は「経営業務の管理責任者」という、建設業の経営経験を持つ人が役員の中に1人いることが要件でした。2020年(令和2年)10月の改正で、個人の経験だけに頼る仕組みから、会社全体として適切な経営管理の体制があるかを見る仕組みに見直されました。

現在の要件

法人の場合、常勤の役員等のうち1人が、次のいずれかに当てはまることが基本です。

  • 建設業に関して、5年以上、経営業務の管理責任者としての経験がある
  • 建設業に関して、5年以上、経営業務の管理責任者に準ずる地位で経営業務を管理した経験がある

それ以外にも、財務管理、労務管理、運営業務のそれぞれについて5年以上の経験を持つ人を、常勤役員等の補佐として置く形が認められています。具体的にどの経験がどの形で認められるかは、確認資料の内容によって変わります。

また、このときの改正で、適切な社会保険に加入していることが許可の要件に加わりました。社会保険の手続きそのものは社会保険労務士の業務です。

新しく独立する方が確認したいこと

「前の会社で何年働いていたか」「どの立場だったか」「それを証明できる書類があるか」を、早めに整理しておきましょう。経験を証明する資料の集め方で、準備の期間が大きく変わります。

05要件2:営業所技術者

建設業許可では、許可を受ける営業所ごとに、一定の資格や実務経験を持つ技術者を置く必要があります。

名称について

この技術者は、これまで「専任技術者」と呼ばれることが多かった役割です。国土交通省の資料や和歌山県の案内では、現在は「営業所技術者」(あるいは「営業所技術者等」)という表記が使われています。2024年(令和6年)12月13日からは、国土交通省の資料によると、営業所技術者等が一定の条件のもとで専任を要する現場の技術者を兼務できる特例も始まっています。

要件の目安

和歌山県の案内では、許可を受けようとする業種について、次のいずれかを満たす者とされています。

区分内容
国家資格業種ごとに定められた国家資格を持つ
学歴+実務経験指定の学科を卒業し、高校卒は5年以上、大学卒は3年以上の実務経験がある
実務経験のみ該当する業種で、10年以上の実務経験がある

特定建設業の技術者は、より厳しい要件があります。

注意点

営業所に常勤していることが前提です。

06要件3:誠実性

請負契約の締結や履行に際して、不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな場合は、許可を受けられません。具体的な確認の方法は、申請の手引きと窓口で確認してください。

07要件4:財産的基礎

一般建設業許可では、申請時に次のいずれかを満たす必要があります。和歌山県の案内に書かれている内容です。

  • 自己資本の額が500万円以上であること
  • 500万円以上の資金調達能力があること
  • 過去5年間、許可を受けて継続して営業した実績があること

新しく会社を作る場合、資本金を500万円以上にして設立すると、自己資本の面で説明しやすくなります。ただし、会社の決算や帳簿の見方など、数字の扱いは税理士の領域です。資金調達能力の証明(預金残高証明など)は、金融機関に確認してください。

特定建設業許可は、これよりも厳しい財産的基礎の要件があります。

08許可が受けられない場合(欠格要件)

要件を満たしていても、次のような場合は許可を受けられません。主なものは次のとおりです。

  • 申請書や添付書類に虚偽の記載をした、または重要な事実の記載が欠けている
  • 破産手続開始の決定を受けて、復権を得ていない
  • 建設業の許可を取り消されてから5年を経過していない
  • 一定の罪(拘禁刑以上の刑、建設業法違反など)で刑に処せられ、5年を経過していない(2025年6月1日より前の「禁錮」の刑も、和歌山県の案内では拘禁刑に含めて扱われています)
  • 暴力団員、または暴力団員でなくなってから5年を経過していない
  • 精神の機能の障害により、業務を適正に行えないと判断される場合

欠格要件の細かな条件や、誰が対象になるかは、建設業法第8条と申請の手引きで確認してください。

09和歌山県の窓口と手数料

項目内容
窓口和歌山県 県土整備部 県土整備政策局 技術調査課(和歌山市小松原通1丁目1番地)
電話073-441-3070
大臣許可の窓口国土交通省 近畿地方整備局(和歌山県内に本店がある場合)
申請手数料(知事許可)新規9万円、更新・追加5万円
申請方法窓口、郵送、電子申請

必要書類が多いため、申請の前に窓口で相談するのが基本です。和歌山県の「建設業許可申請の手引き」も確認してください。

10開業前に準備しておきたいこと

  1. 自分が、軽微な工事の範囲を超える工事を請け負う予定かを整理する
  2. 常勤役員等になれる人の経験を、証明できる書類で確認する
  3. 営業所技術者になれる人(資格・実務経験)がいるか確認する
  4. 資本金や預金など、財産的基礎の裏付けを考える
  5. 社会保険に加入できる体制か確認する(社会保険労務士に相談)

要件のどれか一つでも欠けると、許可は受けられません。会社設立の前に、全体を見通しておくことをおすすめします。

11まとめ

  • 建設業許可は、軽微な工事を超える請負をする場合に必要です。和歌山県内のみに営業所があれば、県知事許可です。
  • 要件は、常勤役員等、営業所技術者、誠実性、財産的基礎の4つです。欠格要件に当たらないことも必要です。
  • 2020年の改正で「経営業務の管理責任者」は常勤役員等の体制に見直され、社会保険の加入も要件に加わりました。
  • 準備で時間がかかりやすいのは、経験の証明と財産的基礎です。

「自分は要件を満たせそうか」「会社を作る前に何を整えればよいか」といった段階からでも、ご相談いただけます。ふくはら行政書士事務所は、会社設立と許認可を続けて考えるお手伝いをしています。

福
代表 行政書士 福原 美有紀

建設業許可は、経験や資格を証明する書類集めに時間がかかります。会社を作る前の段階から、要件を満たせそうか一緒に確認します。

参考(確認日2026-10-01)

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