01許可が必要になるとき
工場や建設現場など、事業活動で出る廃棄物のうち法律で定められたもの(廃プラスチック類、金属くず、がれき類、汚泥など20種類)が産業廃棄物です。これを他社から頼まれて運ぶには、都道府県知事の「産業廃棄物収集運搬業」の許可が必要です。
- 解体業・建設業の会社が、元請けの現場から出るがれきや廃材を運ぶ
- 運送業の会社が、工場から出る廃プラスチックや金属くずの運搬を請け負う
- リサイクル業の会社が、回収した廃棄物を自社の処分先まで運ぶ
自社の事業で出た廃棄物を自社で運ぶだけなら許可はいりません。ただ「自分で運んでいたら、取引先からうちの分も頼まれた」というところから、許可が必要になる会社がとても多いです。

02どの都道府県の許可がいるのか
許可は都道府県ごとです。ルールはシンプルで、廃棄物を積み込む都道府県と、荷下ろしする都道府県の両方の許可が必要です。通り抜けるだけの県の許可はいりません。

| 運び方の例 | 必要な許可 |
|---|---|
| 和歌山の現場から、和歌山の処分場へ | 和歌山県 |
| 和歌山の現場から、大阪の処分場へ | 和歌山県+大阪府 |
| 奈良の現場から、兵庫の処分場へ(大阪を通過) | 奈良県+兵庫県(大阪府は不要) |
※ 政令市の区域内だけで運ぶ場合や、政令市内で積替え保管を行う場合は、市の許可が別に必要になることがあります。
現場が広がるほど、必要な許可も増えます。複数の都道府県に同時に申請する場合、様式も品目の書き方も県ごとに違うため、全体を一人が見ている状態で進めるのが安全です。当事務所はその「全体を見る役」を引き受けます。
03新規・更新・変更のちがい
| 手続き | こんなとき | ポイント |
|---|---|---|
| 新規許可 | はじめて許可を取る。別の県の許可を新たに取る | 講習会(新規)の修了証が必要 |
| 更新許可 | 許可の有効期間(5年)が切れる前に続ける | 期限の2〜3か月前には着手。講習会(更新)の修了証が必要 |
| 変更許可 | 運ぶ品目を増やす。積替え保管を始める | 新規に近い審査。品目ごとに運搬先の確認がいる |
| 変更届 | 車両の入れ替え、役員・住所・会社名の変更 | 許可ではなく届出。変更から10日以内(登記が関わるものは30日以内) |
更新と品目の追加は、同じタイミングで一緒に進めることが多いです。期限が近い方は、まず有効期限と現在の許可品目を教えてください。
04許可の要件
大きく4つです。どれも「あとから整える」より「申請前に確認する」ほうが早く済みます。
講習会の修了
- 日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)の講習会を修了していること
- 法人なら役員または政令で定める使用人のうち1名
- 新規は2日、更新は1日の課程。満席になりやすいので早めの予約を
欠格要件に当たらない
- 役員・株主などが、一定の刑や許可取消しを受けていないこと
- 役員全員について誓約書と住民票・登記されていないことの証明書を出す
経理的な基礎
- 直近3期の決算書(新設法人は始まったばかりでも可)
- 債務超過や赤字が続く場合は、改善計画などの追加書類で説明する
運搬の設備
- 運ぶ品目に合った車両・容器(飛散・流出・悪臭を防げること)
- 車両の使用権原(車検証、リースなら契約書)
- 駐車場の確保
05品目の決め方と運搬先
申請で一番気をつかうのが品目です。「とりあえず全部」とはいきません。品目ごとにどこの現場から出て、どこの処分場に運ぶのかを事業計画に書き、運搬先がその品目を受け入れられることを、処分場の許可証で確かめる必要があるからです。
- 品目は20種類。さらに石綿(アスベスト)を含むもの、水銀を含むものは、都道府県によっては品目ごとに「含む/含まない」を分けて申請します
- 運搬先(処分場)は、その品目を受け入れられる許可を持っている必要があります。県内に受け皿がなければ、県外の処分場と、その県の許可を組み合わせます
- 品目の名前や「含む/除く」の書き方は都道府県ごとに違い、同じ会社でも県によって申請書の見た目が変わります
当事務所では、取引先からの引き合いと処分場の受け入れ品目を突き合わせて、今すぐ必要な品目と先々で足したい品目を分けてご提案します。あとで変更許可を取り直す回数を減らすためです。
06必要な書類
お客さまにご用意いただくもの
- 講習会の修了証
- 決算書(直近3期分)
- 車検証の写し(リースなら契約書も)
- 車両の写真(前後・側面・ナンバー)
- 駐車場の資料(自社なら登記事項証明書、賃貸なら契約書)
- 役員全員の住民票(本籍記載)・登記されていないことの証明書
- 運搬先(処分場)の許可証の写し
- 排出事業者(取引先)の見込み
当事務所が作成するもの
- 許可申請書(都道府県の様式)
- 事業計画の概要(品目・排出事業者・運搬先・運搬量)
- 誓約書
- 車両・容器の一覧と写真台紙
- 経理的基礎に関する書類(必要な場合は説明書も)
- 都道府県ごとの追加書類(申出書、確認書など)
※ 登記事項証明書や住民票などの公的書類は、当事務所で取得代行もできます。
07申請から許可までの流れ
- ご相談・ヒアリング(無料)どこで積んでどこへ運ぶか、どんな品目か、取引先の見込みを伺います。必要な都道府県と品目をこの段階で整理します。
- 講習会の予約・受講未受講の方はまず予約を。修了証が届くまでに、ほかの書類を進めます。
- 運搬先・車両の確認処分場の許可証と受け入れ品目を突き合わせ、車両の写真や使用権原をそろえます。
- 申請書の作成・事前相談都道府県の様式で作成し、必要に応じて窓口に事前確認します。
- 申請・手数料の納付当事務所が窓口へ提出(郵送可の県は郵送)。手数料は都道府県へ納めます。
- 審査・許可受付からおおむね1〜2か月で許可証が交付されます(3か月程度かかる都道府県もあります)。

※ 期間は都道府県や時期、書類の補正の有無によって変わります。審査の期間は行政庁が決めるため、当事務所が短くできるのは「申請までの準備」の部分です。
08費用の目安
都道府県に納める申請手数料(実費)と、当事務所の報酬に分かれます。
申請手数料(都道府県へ納めるもの・1都道府県あたり)
| 手続き | 積替え保管なし | 積替え保管あり |
|---|---|---|
| 新規許可 | 81,000円 | 81,000円 |
| 更新許可 | 73,000円 | 74,000円 |
| 変更許可 | 71,000円 | 72,000円 |
※ 多くの都道府県で共通の額ですが、一部異なる場合があります。講習会の受講料、住民票などの取得費、郵送費は別途かかります。
当事務所の報酬(税込)
| 内容 | 報酬 |
|---|---|
| 初回相談 | 無料 |
| 新規許可申請(1都道府県) | 132,000円 |
| 新規許可・2県目以降の同時申請 | 1県につき 66,000円を加算 |
| 更新許可申請(1都道府県) | 88,000円 |
| 変更許可申請(品目の追加) | 88,000円 |
| 変更届(車両・役員など) | 22,000円 |
※ 積替え保管を含む場合、品目や車両がとくに多い場合、更新・変更を複数の都道府県で同時に行う場合は、ヒアリングのうえで別途お見積りします。
※ 当事務所は適格請求書(インボイス)発行事業者です。
09許可を取ったあとに続くこと
許可は取って終わりではありません。運び始めてから守ることがいくつかあります。
- 車両への表示:「産業廃棄物収集運搬車」の文字と会社名・許可番号を、車体の両側面に表示する
- 書面の携帯:許可証の写しと、マニフェスト(産業廃棄物管理票)を運搬中に携帯する
- 委託契約書:排出事業者との間で、運搬を始める前に書面で契約する
- 変更届:車両の入れ替えや役員の変更があれば、許可を持っているすべての都道府県に期限内(原則10日以内)に届け出る
- 更新:5年ごと。期限を過ぎると許可は失効し、新規からやり直しになる。講習会(更新課程)の受講も必要なので、期限の3か月前には準備を始める
許可後の変更届や更新も、そのまま当事務所にお任せいただけます。排出事業者さまからの委託契約書・マニフェストの運用に関するご相談も承ります。
10当事務所にお任せいただけること
複数の都道府県を、まとめて
同じ会社の許可を複数の都道府県へ同時に申請した経験があります。県ごとに違う様式・品目の書き方・添付書類を一覧にして管理し、県どうしの整合をとりながら進めます。
運搬先まで確かめる
品目ごとに「どこに運ぶか」を処分場の許可証の原文で確認します。受け皿のない品目は、県外の処分場と組み合わせる案までご提案します。
先を見た品目設計
今必要な品目と、先々で足したい品目を分けて設計します。変更許可を取り直す回数を減らし、手数料と時間を節約します。
進み具合が見える
県ごとの提出状況・不足書類・次にやることを一覧にして共有します。ホテルで20年お客さまをご案内してきた経験を生かし、「今どこまで進んでいるか」を迷わせません。
11よくあるご質問
許可はどの都道府県で取ればいいですか?
産業廃棄物を積み込む場所と、荷下ろしする場所の両方の都道府県で許可が必要です。通過するだけの都道府県の許可は不要です。
申請から許可までどのくらいかかりますか?
都道府県によって異なりますが、申請の受付から許可までおおむね1〜2か月が目安です。講習会の受講や書類の準備を含めると、ご相談から3か月ほど見ておくと安心です。
講習会はまだ受けていません。先に相談してもいいですか?
はい。講習会は満席になりやすいので、ご相談と同時に予約をおすすめしています。修了証を待つあいだに、ほかの書類を進められます。
赤字決算でも許可は取れますか?
すぐに不許可になるわけではありません。改善計画や資金の裏付けなど追加の書類で説明します。決算の内容を拝見してご案内します。
トラックが1台でも申請できますか?
はい。1台から申請できます。運ぶ品目に合った車両であることと、使用権原(車検証・リース契約)が確認できれば大丈夫です。
和歌山県以外の申請も頼めますか?
はい。複数の都道府県へ同時に申請した経験があります。都道府県ごとに様式や品目の書き方が違うため、まとめてお任せいただくと整合がとれます。打ち合わせはオンラインでも可能です。
処分業の許可も頼めますか?
当事務所でお受けしているのは収集運搬業の許可です。処分業(中間処理・最終処分)は施設の設置から関わる大きな手続きのため、まずはご相談ください。
複数の都道府県にまたがる収集運搬の許可を、品目と運搬先の組み合わせから一つずつ組み立ててきました。「どの県から手をつければいいか」から、一緒に整理します。