01一般貨物自動車運送事業とは
一般貨物自動車運送事業とは、他人の依頼を受けて、運賃をもらい、トラックで荷物を運ぶ事業のことです。たとえば次のような場合が当てはまります。
- 建設会社の依頼で土砂を運び、運搬料をもらう
- メーカーから商品の配送を請け負う
- 引越しの依頼を受けて家財を運ぶ
自社の荷物を運ぶだけなら不要です
自社で販売する商品を自社のトラックで届ける、自社の資材を自社の現場へ運ぶ、といった場合は「自家用」にあたり、許可は不要です(白ナンバーのままで構いません)。
他人の荷物を運び、運賃をもらうなら緑ナンバーが必要です。「下請けで土砂を運び、運搬料をもらっている」場合は、他人のための運送にあたります。判断に迷うケースも多いので、まずはご相談ください。
02緑ナンバーと白ナンバー
ナンバーの色だけでなく、守るべきルールも大きく変わります。
| 項目 | 緑ナンバー(事業用) | 白ナンバー(自家用) |
|---|---|---|
| 用途 | 他人の荷物を有償で運ぶ | 自社の荷物を運ぶ |
| 必要な手続き | 国土交通大臣の許可 | 許可は不要 |
| 車検 | 1年ごと | 貨物車は原則1年ごと(車両により異なる) |
| 点呼・帳簿 | 義務あり | なし(一定台数以上は安全運転管理者の業務あり) |
| 運行管理者 | 必要 | 不要 |
| 整備管理者 | 必要 | 一定台数以上で必要 |
03法改正で変わったこと
2025年6月に貨物自動車運送事業法の改正法が公布され、順次施行されています。主なポイントは次のとおりです。
荷主側にも罰則
- 2026年4月1日から、無許可の事業者(いわゆる白トラ)に運送を委託した荷主等も、100万円以下の罰金の対象に
- 国による要請・勧告・公表の対象にもなります
再委託は2次まで
- 元請として引き受けた運送は、再委託を2回以内に抑えるよう努める義務が新設されました
許可の5年更新制
- トラック運送事業の許可に、5年ごとの更新制が導入されます(施行時期は今後順次)
適正原価
- 国が定める「適正原価」を下回る運賃・料金で受けないことが求められるようになります
荷主や元請からすると、「相手が緑ナンバーか確認しないと、自分たちもリスクを負う」時代になりました。白ナンバーで他人の荷物を運び続けることは、これまで以上に難しくなっています。
04取得に必要な条件
「場所」「車」「人」「お金」の面から、次の条件をすべて満たす必要があります。
営業所
- 自己所有か賃貸借契約などで使う権利があること
- 都市計画法・建築基準法・農地法などに違反しないこと(市街化調整区域や農地は原則不可)
- 休憩・睡眠の施設を確保できること
車庫
- すべての車両を収容できる広さ(車両どうしの間隔50cm以上)
- 営業所から運輸局の定める距離の範囲内
- 前面道路の幅が基準を満たすこと
- 使う権利があること
車両
- 5台以上の事業用トラック(軽自動車・二輪を除く)
- 自己所有・ローン・リースのいずれでも可
人
- 運行管理者(資格者証を持つ人)
- 整備管理者(整備士資格、または実務経験+研修)
- 車両の台数に見合った運転者
お金
- 開業に必要な資金を、自己資金で確保していること
- 運転資金・車両費・保険料などを積み上げて計算し、事業規模によっては1,500万〜2,500万円ほどになることもあります
- 申請時と審査中の指定日に、残高証明書で確認されます
そのほか
- 役員法令試験に合格すること
- 任意保険など、損害賠償の能力があること
- 欠格事由に当たらないこと
- 社会保険・労働保険に加入すること
特に注意したいのは営業所・車庫の場所と資金です。「自宅横の倉庫を営業所にしようとしたら農地だった」「審査の途中で残高が下回ってしまった」といったケースがあります。物件を決める前、資金を動かす前にご相談ください。
05必要な書類
書類はおおむね20〜30種類以上にのぼります。代表的なものは次のとおりです。
申請書類
- 経営許可申請書・事業計画
- 事業用自動車の明細
- 運行管理・整備管理の体制がわかる書類
営業所・車庫
- 位置図・平面図
- 登記事項証明書または賃貸借契約書
- 前面道路の幅員証明書
人員
- 運行管理者の資格者証の写し
- 整備管理者の資格・経験を証明する書類
- 役員名簿(法人)
資金・そのほか
- 預金残高証明書・資金計画
- 登記事項証明書(法人)または住民票(個人)
- 車検証の写し(既存車両がある場合)
当事務所では、書類の洗い出しから収集・作成までサポートします。
06申請から運輸開始まで
- 無料相談・現地確認ご状況を伺い、営業所・車庫の場所を確認します。
- 事前準備物件・車両・人員・資金の計画を整え、書類を作成します。(1〜3か月)
- 申請営業所のある地域の運輸支局へ提出します(和歌山県なら和歌山運輸支局)。審査は近畿運輸局が行います。
- 役員法令試験申請後に、運輸局で試験を受けます。
- 許可審査期間はおおむね3〜5か月です。許可後に登録免許税12万円を納めます。
- 運輸開始の準備運行管理者・整備管理者の選任届、ナンバーの切り替えなどを行い、運輸開始届を出します。(約1か月)
準備から運輸開始まで、おおむね6〜10か月かかります。「来月から緑ナンバーで」は現実的ではないため、半年以上の余裕をもってご相談ください。
07役員法令試験
見落とされやすいのが、経営者が受ける「役員法令試験」です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受ける人 | 法人は常勤の役員1名、個人事業は本人 |
| 問題数・合格基準 | 30問、8割(24問)以上の正解で合格 |
| 試験会場 | 地方運輸局(和歌山県の方は近畿運輸局) |
| 出題範囲 | 貨物自動車運送事業法、道路運送車両法、道路交通法、労働基準法 など |
| 不合格のとき | 再受験は1回まで。2回続けて不合格の場合は申請が通りません |
運輸局のホームページで過去問題が公開されています。当事務所では、試験対策のアドバイスもサポートに含めています。
08取得後の義務
許可はゴールではなくスタートです。緑ナンバーの事業者には、次のような義務があります。
毎日の運行管理
- 乗務前後の点呼と記録
- 乗務の記録
- 運転者台帳の作成
車両の管理
- 3か月ごとの定期点検
- 点検整備記録の作成・保存
運転者の教育
- 運転者への定期的な指導・教育
- 新しく雇った運転者への初任運転者向けの指導
年ごとの対応
- 運転者の健康診断
- 事業報告書・事業実績報告書の提出
- 巡回指導への対応
保険料や人件費の扱いなど、経費の面も変わります。当事務所では申請前の打ち合わせで、こうした負担も包み隠さずお伝えし、本当に取得すべきかを一緒に考えます。
09ダンプ業の方へ
運搬料をもらっていれば「他人のための運送」です
「現場で言われたとおりに運んでいるだけだから、自社用だと思っていた」という誤解が見られます。しかし、運搬料をもらって運んでいる時点で緑ナンバーが必要です。
- 建設会社の下請けとして、現場の土砂を処分場へ運ぶ
- 採石場から建設現場へ砕石を運ぶ
- 元請の指示で、ある現場から別の現場へ残土を運ぶ
ダンプ規制法の表示番号は別の手続きです
大型のダンプは「ダンプ規制法」の対象となり、車体に表示番号(通称ゼッケン)を表示する必要があります。表示番号の手続きは緑ナンバー化とは別に必要です。
5台の壁
個人で1〜2台のダンプを持って仕事をしている方も多いですが、緑ナンバーには5台以上が必要です。仲間と法人をつくって5台の体制にするなど、状況に合わせた方法を一緒に考えます。
出張封印で、営業を止めずにナンバー交換
許可のあとは、すべての車両のナンバーを白から緑に替えます。当事務所は丁種封印の資格を持っているため、お客さまの車庫まで伺って、その場でナンバーの交換と封印の取付けができます。
10個人か法人か
緑ナンバーは、個人事業でも法人でも取得できます。主な違いは次のとおりです。
| 項目 | 法人 | 個人事業 |
|---|---|---|
| 役員法令試験を受ける人 | 常勤の役員1名 | 本人のみ |
| 事業目的の変更 | 定款・登記に運送事業の記載が必要 | 不要 |
| 代表者が交代するとき | 役員の変更で事業を続けられる | 相続などの手続きが必要 |
許可を取ったあとに法人化すると、譲渡譲受の認可という別の手続きが必要になり、時間も費用もかかります。法人化を考えているなら、許可の前に済ませるのがおすすめです。当事務所では、会社設立から緑ナンバーの取得まで、まとめてお手伝いできます。
11費用と料金
取得までにかかる費用の目安
| 項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 登録免許税(許可後に納付) | 120,000円 |
| 各種証明書の取得費用 | 1万〜2万円 |
| 車両の購入費・リース料、営業所・車庫の賃料 | 別途 |
| 自己資金 | 事業計画にもとづいて算出(口座に確保) |
当事務所の料金
| 内容 | 報酬(税込) |
|---|---|
| 初回相談 | 無料 |
| 現地調査・打ち合わせ | 個別お見積り |
| 一般貨物自動車運送事業許可申請サポート | 個別お見積り |
| 出張封印(許可後のナンバー交換) | 個別お見積り |
| 会社設立サポート(必要な場合) | 個別お見積り |
※ 別途、登録免許税・証明書の取得費用・出張費などの実費がかかります。お見積りは無料です。
※ 当事務所は適格請求書(インボイス)発行事業者です。
12よくあるご質問
軽トラックでも緑ナンバーは取れますか?
軽自動車で荷物を運ぶ場合は「貨物軽自動車運送事業」という別の制度になります。許可ではなく届出で、車両1台から始められます(黒ナンバー)。
自分で申請することもできますか?
制度上はご自身でも申請できます。ただし書類は20〜30種類以上にのぼり、補正への対応や試験の準備も必要です。本業を止めずに進めたい方は、専門家に任せたほうが結果的に負担が少なくなることが多いです。
5台そろわないと取れませんか?
はい、5台以上が必要です。ただし購入予定やリース予定の車両も、確保の見込みとして計画に入れられます。
自己資金が足りない場合は?
自己資金は許可の大切な条件です。融資を利用する方法もありますが、自己資金として認められる範囲には決まりがあります。資金を動かす前に、まずご相談ください。
申請中も白ナンバーで有償の運送を続けてよいですか?
続けられません。他人の荷物を運賃をもらって運ぶこと自体が許可の対象のため、許可が出るまではその業務を止める必要があります。自社の荷物を運ぶことは続けられます。
許可が出たら、すぐに営業を始められますか?
許可のあと、登録免許税の納付、運行管理者・整備管理者の選任届、ナンバーの切り替えなどを済ませ、運輸開始届を出してから営業を始めます。
出張封印とは何ですか?
ナンバーの交換は、ふつうは車を運輸支局へ持ち込んで行います。丁種封印の資格を持つ行政書士は、お客さまの車庫などへ伺って、その場でナンバーの交換と封印の取付けができます。当事務所は和歌山県内で出張対応しています。
和歌山県内ならどこでも対応してもらえますか?
はい。和歌山市・田辺市・新宮市・橋本市など、和歌山県内全域に対応しています。遠方の場合は出張費をいただくことがあります。
丁種封印取扱行政書士。運送業にくわしい行政書士とも連携し、書類を二重にチェックして進めます。会社設立から緑ナンバーの取得、ナンバー交換まで、まとめてお任せください。