成年後見業務

ご家族の「これから」を、法律の力で支えます。
「最近、親の物忘れが増えてきた」
「将来、自分の財産管理はどうなるんだろう」
「施設に入所するのに後見人が必要だと言われた」
このページでは、成年後見制度のしくみと活用方法を、はじめての方にもわかりやすく、丁寧に解説いたします。

このページの目次

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  1. はじめに ― 成年後見制度が必要になるとき
  1. 成年後見制度とは何か
  1. 法定後見と任意後見の違い
  1. 3つの類型 ― 後見・保佐・補助
  1. 後見人の主な役割と権限
  1. 制度利用を検討する目安
  1. 申立てから後見開始までの流れ
  1. 必要な書類
  1. かかる費用と期間の目安
  1. 後見開始後の業務と義務
  1. コスモス成年後見サポートセンターについて
  1. 行政書士に依頼できること
  1. よくあるご質問
  1. 当事務所のサポート

1. はじめに ― 成年後見制度が必要になるとき

「親が認知症になってきた気がする」
「契約や金銭管理を一人で判断するのが難しくなってきた」
「将来、自分が判断できなくなったときに、誰に財産を任せればいいか不安」
こうしたお話を、最近多くいただきます。
日本では高齢化が進み、認知症の方は2025年時点で700万人を超えると推計されています(厚生労働省)。
判断能力が低下すると、以下のような場面で困りごとが発生します。
  • 預貯金の引き出しができなくなる(本人確認ができないため)
  • 不動産の売却・賃貸契約ができない
  • 施設入所の契約ができない
  • 介護保険サービスの契約・更新ができない
  • 相続手続きで遺産分割協議に参加できない
このとき、ご本人の権利を守り、ご家族が手続きを進められるようにする仕組みが、成年後見制度です。

2. 成年後見制度とは何か

定義をシンプルに

成年後見制度とは、
判断能力が不十分になった方を、法律の力で守り、支える制度
です。
民法と「任意後見契約に関する法律」によって定められており、家庭裁判所が関与する公的な制度です。

制度ができた背景

2000年4月、それまでの「禁治産制度」「準禁治産制度」に代わって始まった、比較的新しい制度です。
これは介護保険制度のスタートと同時期で、
「介護を受ける本人の意思や権利を、法的に守る仕組みが必要」
という考えから生まれました。

制度が守るもの

成年後見制度が守るのは、以下の2つです。
① 財産管理
  • 預貯金・不動産・有価証券などの管理
  • 不利な契約から守る(悪質商法など)
  • 必要な支払いの代行
② 身上監護(しんじょうかんご)
  • 介護や医療のサービス契約
  • 施設入所の手続き
  • 生活全般の見守り
「お金の管理」だけではなく、「その人らしい生活を守ること」が目的です。

3. 法定後見と任意後見の違い

成年後見制度は、大きく2つの種類に分かれます。

比較表

項目法定後見任意後見
始める時期判断能力がすでに不十分になった後判断能力がある今のうちに契約
誰が後見人を決めるか家庭裁判所が選任本人が事前に指定
制度の柔軟性法律で範囲が決まっている契約で範囲を柔軟に設定可能
手続き開始時期申立てから2〜4ヶ月判断能力低下後すぐ
監督家庭裁判所任意後見監督人(家裁が選任)
必要な手続き家庭裁判所への申立て公正証書による契約

法定後見

すでに判断能力が低下してしまった方のための制度です。
ご家族など一定の関係者が家庭裁判所に申立てを行い、裁判所が後見人を選任します。
こんなケースに:
  • 親の認知症が進んでしまった
  • 知的障害のある家族の親が高齢で支援が難しくなった
  • 精神障害があり契約や金銭管理に支障がある

任意後見

判断能力がある今のうちに、将来に備えて契約しておく制度です。
「自分のことは、信頼できるあの人にお願いしたい」を、法的に有効にできます。
こんなケースに:
  • 自分が将来認知症になったときが不安
  • おひとりさまで、家族に頼めない
  • 親が元気なうちに、財産管理を法的に整えておきたい

任意後見制度を利用するメリット

  • 自分で後見人を選べる:家族や信頼できる専門家を自分で選べる
  • 安心して将来に備えられる:元気なうちに備えておくことで、判断力が低下しても安心
  • 柔軟にサポートを受けられる:自分の状況に合わせて、見守りや財産管理を調整できる
  • 本人の行為能力に制限がない(自分で契約することができる)

任意後見制度を利用するデメリット

  • 任意後見監督人の費用が発生する
  • 法定後見のように後見人に取消権がないため、本人が締結した契約が有効になってしまう
  • すでに判断能力が低下していたり、失われている場合には利用できない(その場合は法定後見を申し立てる)

4. 3つの類型 ― 後見・保佐・補助

法定後見は、判断能力の程度に応じて3つの類型に分かれます。
家庭裁判所が、医師の診断書をもとに判断します。
類型対象となる方の状態保護者の権限
後見判断能力を欠く常況にある方広範囲な代理権・取消権
保佐判断能力が著しく不十分な方重要な行為に同意権・取消権
補助判断能力が不十分な方申立てで決めた範囲のみ

注意点

ご本人の状態によって類型が決まるため、ご家族が「後見でお願いしたい」と希望しても、医師の診断結果が「補助相当」であれば補助になります。
これは制度の趣旨が「本人の自立をできるだけ尊重する」ことにあるためです。

5. 後見人の主な役割と権限

後見人が担う仕事は、大きく2つに分けられます

役割1:財産管理

  • 預貯金の管理・出入金
  • 不動産の管理(売却・賃貸も含む)
  • 年金・各種給付金の受取
  • 株式・投資信託などの管理
  • 必要な支払いの代行(公共料金・税金・介護費用など)
  • 不要な契約の取消し(悪質商法から守る)

役割2:身上監護

  • 医療契約の締結(手術同意は含まれません)
  • 介護サービスの契約(介護保険・訪問介護など)
  • 施設入所・退所の手続き
  • リハビリや療養先の選定
  • 生活環境の整備

後見人の義務

後見人は、家庭裁判所に対して定期的な報告義務があります。
  • 年に1回程度、財産目録と収支状況を報告
  • 大きな取引(不動産売却など)には、事前に裁判所への報告が必要
  • 後見人としての行動はすべて記録に残す

後見人ができないこと

  • 手術の同意(医療同意権はない)
  • 婚姻・離婚の代理(一身専属的な行為)
  • 遺言書の作成代理
  • 養子縁組の代理
これらは「ご本人にしかできない行為」として、後見人の権限外となります。

6. 制度利用を検討する目安

以下のような状況になったら、成年後見制度の利用を検討する時期です。

こんなお困りごとはありませんか

  • 親の預貯金が引き出せなくなった(銀行に本人確認を求められた)
  • 親の家を売却したいが、本人の意思確認ができない
  • 施設入所の契約をしたいが、本人が署名できない
  • 訪問販売で高額な契約をしてしまった、取消したい
  • 相続が発生したが、相続人の一人が判断能力を失っている
  • 介護保険サービスの契約・更新ができない
  • 家族間で財産管理を任されたが、法的な裏付けが欲しい

早めに検討した方がよいケース

① 大きな取引が控えている
不動産売却や相続が発生する可能性があるなら、判断能力が落ちる前に任意後見契約を結んでおくと、後の手続きがスムーズです。
② 一人暮らしの高齢者
おひとりさまで身寄りが少ない場合、ご本人が元気なうちに任意後見契約を結んでおくことで、いざというときに信頼できる人に支援してもらえます。
③ 認知症の進行が早そう
進行が早い場合、契約を結ぶには間に合わないこともあります。早めの相談が大切です。

7. 申立てから後見開始までの流れ

法定後見の場合

期間の目安:2〜4ヶ月(鑑定が必要な場合はさらに1〜2ヶ月)

任意後見の場合

期間の目安:契約締結まで1〜2ヶ月

8. 必要な書類

法定後見の申立てに必要な主な書類

ご本人に関する書類
  • 戸籍謄本/住民票
  • 後見登記されていないことの証明書
  • 医師の診断書(成年後見制度用の所定様式)
  • 本人情報シート(ケアマネージャー等が作成)
  • 財産目録(預貯金通帳のコピー、不動産登記事項証明書 等)
  • 収支予定表
申立人・後見人候補者に関する書類
  • 戸籍謄本/住民票/身分証明書
  • 経歴・職業の説明書

任意後見契約に必要な書類

  • ご本人の印鑑証明書/戸籍謄本/住民票
  • 任意後見受任者の印鑑証明書・住民票
  • 契約内容を整理した資料
当事務所では、これらの書類のリストアップから取得サポート、申立書類の作成まで一貫してお手伝いいたします。

9. かかる費用と期間の目安

費用はご状況により異なりますが、おおむねの目安をご案内します。

法定後見の申立て

項目金額の目安
行政書士報酬(当事務所)個別お見積り
申立手数料(収入印紙)800円〜2,400円
登記手数料(収入印紙)2,600円
連絡用切手3,000〜5,000円程度
診断書取得費用5,000〜10,000円程度
鑑定費用(必要な場合)5万〜10万円

任意後見契約

項目金額の目安
行政書士報酬(当事務所)個別お見積り
公証役場手数料1万1,000円〜
登記嘱託料1,400円
登記手数料(収入印紙)2,600円

後見開始後の継続費用(参考)

後見人が第三者専門職(弁護士・司法書士・行政書士)の場合、家庭裁判所が定める報酬が、ご本人の財産から支払われます。
管理財産額報酬の目安(月額)
1,000万円以下2万円程度
1,000万〜5,000万円3〜4万円
5,000万円超5〜6万円以上
※家庭裁判所が個別事案ごとに決定します。あくまで参考目安です。

10. 後見開始後の業務と義務

開始直後(1ヶ月以内)

財産目録の作成・提出:預貯金・不動産・有価証券・借金などを調査して家庭裁判所に提出
収支予定表の作成・提出:今後1年間の収入と支出の予定

日常の業務

  • 通帳・印鑑の管理
  • 出入金の記録(領収書はすべて保管
  • 介護・医療の契約・支払い

年次対応

家庭裁判所への定期報告:おおむね年1回、収支報告・財産目録の更新・本人の現状を報告

大きな取引の事前報告

  • 不動産の売却
  • 高額な財産の処分
  • 居住用不動産の処分(要許可)
  • 相続放棄・遺産分割協議

注意点

後見人の業務は、ご本人が亡くなるまで続きます。途中で辞任するには、家庭裁判所の許可が必要です。
だからこそ、誰を後見人にするかは慎重に検討する必要があります。

11. コスモス成年後見サポートセンターについて

当事務所の代表・福原美有紀は、日本行政書士会連合会が設立した コスモス成年後見サポートセンター の会員です。
コスモスは、判断能力が不十分な方の権利を守るために行政書士が中心となって設立された専門機関です。定期的な研修を受け、高い倫理基準のもとで後見業務に取り組んでいます。

コスモス会員の特徴

  • 定期的な研修を受講(年複数回)
  • 高い倫理規程のもとで業務を実施
  • 賠償責任保険に加入(万一の事故に備え)
  • 業務の質を担保する監督体制
成年後見業務は、ご本人の人生に深く関わる業務です。専門知識だけでなく、倫理観と継続的な学びが求められるため、コスモス会員制度はその担保となっています。

12. 行政書士に依頼できること

成年後見の手続きには、弁護士・司法書士・行政書士の3つの士業が関わります。
それぞれ業務範囲が異なるため、ご相談時に整理しておくことが大切です。
業務行政書士司法書士弁護士
任意後見契約書(公正証書)の作成サポート
法定後見の申立書類作成
法定後見の申立て代理×
後見人・任意後見人として就任
登記の代理×
裁判での代理(訴訟)×

当事務所の業務範囲

任意後見について
  • 任意後見契約書の作成サポート
  • 公証役場での手続き同行
  • 任意後見人として就任(コスモス会員)
法定後見について
  • 申立書類の作成サポート
  • 必要書類のリストアップ・取得サポート
  • 後見人候補者としての就任(コスモス会員)
その他
  • 制度全般のご相談
  • 法定後見か任意後見かの選択サポート
  • ご家族との打ち合わせ同席
なお、法定後見の申立て代理は行政書士業務外となりますので、代理が必要な場合は提携の弁護士をご紹介します。

13. よくあるご質問

Q1. 親が認知症の診断を受けたばかりです。すぐに後見人をつけるべきですか?

A. ご家族の状況によりますが、「困りごとが出てから」で間に合うケースも多くあります。
  • 預貯金の引き出しを銀行に拒否された
  • 大きな取引(不動産売却・相続)が必要
  • 施設入所の契約が必要
こういった状況になったら、検討を始めましょう。

Q2. 後見人は家族でもなれますか?

A. はい、なれます。家庭裁判所が選任を判断しますが、ご家族が候補者として申立てに記載することができます。
ただし、近年は「親族間の財産トラブルを避けるため」に、専門職が選任されるケースも増えています。

Q3. 家族が後見人になると、財産を自由に使えますか?

A. 絶対にできません。
後見人は、ご本人の財産を「ご本人のためだけ」に使う義務があります。
私的な流用は業務上横領罪となり、刑事責任を問われます。

Q4. 任意後見契約を結んだら、すぐに代理してもらえますか?

A. いいえ。任意後見契約は、判断能力が低下してから効力が発生します。
判断能力があるうちは、ご本人がすべて自分で決められます。

Q5. 任意後見契約と遺言は同時にできますか?

A. はい、できます。両方を整えておくことをおすすめします。
  • 任意後見:判断能力低下後の財産管理・身上監護を決める
  • 遺言:亡くなった後の財産配分を決める

Q6. 申立てから後見開始まで、もっと早くできませんか?

A. 急ぎの場合、「審判前の保全処分」という制度を使って、応急的な財産管理を裁判所に許可してもらう方法があります。
ただし、要件が厳しく、原則は通常の申立てとなります。

Q7. 後見人をつけたら、本人は何もできなくなりますか?

A. いいえ。日常的な買い物などは、引き続きご本人が行えます
後見人が関わるのは、重要な契約や財産管理に関する行為です。

Q8. 後見人に親族間でトラブルが起こったらどうなりますか?

A. 家庭裁判所が監督しているため、不正があれば後見人の解任もあり得ます。
親族間で意見が割れる場合、専門職を後見人にすることでトラブルを回避できるケースが多くあります。

Q9. 費用が心配です。本人にお金がない場合はどうなりますか?

A. ご本人の財産が少ない場合でも、以下の制度があります:
  • 成年後見制度利用支援事業(市町村):申立費用・後見人報酬の助成
  • 法テラス:弁護士費用の立替制度

Q10. 和歌山県外でも対応してもらえますか?

A. 和歌山県内全域に対応しております。県外の場合はご相談ください。

14. 当事務所のサポート

ふくはら行政書士事務所の3つの特長

1. コスモス成年後見サポートセンター会員
定期研修を受講した、成年後見の専門知識を持つ行政書士です。
高い倫理規程と賠償責任保険のもとで、安心してお任せいただけます。
2. ご家族に寄り添う相談スタイル
ホテルマンとしての長年の経験を活かし、ご家族の気持ちに寄り添う相談を心がけています。
専門用語ではなく、わかりやすい言葉でご説明します。
3. 制度全般のご案内
任意後見・法定後見の選択から、申立て後の手続きまで、トータルでサポート。
他の士業との連携が必要な場合も、信頼できる専門家をご紹介します。

サポートの流れ

  1. 初回相談(無料) ― お電話またはメールでご状況を伺います
  1. 制度のご説明 ― ご状況に合った制度(法定後見・任意後見)を一緒に検討
  1. 必要書類のご案内 ― 取得方法までサポート
  1. 書類作成 ― 当事務所がすべての書類を作成
  1. 手続きの実行 ― 申立てまたは公証役場での契約
  1. 継続的なご相談 ― 後見開始後も、必要に応じてご相談いただけます

費用の目安

内容料金(税込)
初回相談無料
任意後見契約書作成サポート個別お見積り
法定後見申立書類作成個別お見積り
後見人就任(継続業務)家庭裁判所決定額に従う
※ 別途、公証役場手数料・収入印紙・診断書取得費用などの実費がかかります。
※ お見積りは無料です。

まずはお気軽にご相談ください

「親の物忘れが気になる」
「将来、自分の財産はどうなるんだろう」
「家族で話し合っているけど、何から始めればよいかわからない」
どんな段階のご相談でも、無料でお受けしております。
ご家族の状況に合わせて、最善の方法を一緒に考えさせていただきます。

お問い合わせ方法

  • お電話、メール、お問い合わせフォームよりご連絡ください
  • 対応エリア: 和歌山県全域(出張対応可)

ふくはら行政書士事務所
代表 福原 美有紀(ふくはら みゆき)
行政書士/申請取次行政書士/コスモス成年後見サポートセンター会員/丁種封印取扱行政書士